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AIエージェント時代のDXとは?これまでのDXとの違いを中小企業向けにやさしく解説

AI×DX

この記事で分かること

  • AIエージェント時代のDXが、これまでのDXと何が違うのか
  • AIエージェントで、実際にどんなことができるようになったのか
  • なぜ今、DXが「AIが自ら動く」段階に入ってきたのか
  • 「AIを使う」から「AIに任せる」へ変えた、弊社自身の実例
  • 自社で小さく始めるための、最初の一歩

読了時間:約10分

生井聖人

監修:
みちしるべコンサルティング

代表
生井 聖人(なまい まさと)

マーケティング歴10年。中小企業のAI×DX支援を専門に、感覚経営から数字経営への移行を伴走支援している。

「AIエージェント」という言葉を、最近よく見聞きするようになった方も多いのではないでしょうか。

ただ、これまで言われてきたDXと何が違うのかまでは、はっきりしないという声をよく聞きます。

AIエージェント時代のDXとは、ひとことで言えば、AIが「作業そのもの」を担うようになるDXのことです。

これまでのDXが「道具をデジタルに置きかえる」段階だったのに対し、これからは「AIに任せて動いてもらう」段階に入りつつあります。

この記事では、AIエージェント時代のDXの意味と、実際にできること、そしてこれまでのDXとの違いを、順を追って整理します。

専門用語はできるだけ避けて、地に足のついた話だけをお伝えします。

AIエージェント時代のDXとは、AIが「作業そのもの」を担うDX

AIエージェント時代のDXとは、人が使う道具のデジタル化にとどまらず、AIが目標に向かって自ら動き、定型的な作業を代わりに進めてくれるようにするDXのことです。

人の役割は「作業する人」から「確認し、判断する人」へと、少しずつ移っていきます。

人の役割が「作業する人」から「確認し、判断する人」へ移ることを示す図解

そもそもDXとは、デジタルの力で仕事のやり方を変えること

DXとは、デジタルの力を使って、業務や事業のやり方そのものを変えていくことを指します。

経済産業省も、DXを「データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、業務や組織のあり方までを変革し、競争上の優位性を確立すること」と位置づけています。

(出典:経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」(2024年9月改訂))

ここで大事なのは、道具を新しくすること自体がゴールではない、という点です。

道具を増やすDXから、仕事の流れを変えるDXへ視点を変えることを示す図解

AIエージェント時代のDXは、この「仕事のやり方を変える」ことに、AIの力を使う段階だと考えています。

【関連記事】AIとDXの違いとは?関係性と、中小企業がどちらから始めるかを解説

生成AIとAIエージェントの違いは「自ら動くかどうか」

生成AIとAIエージェントの一番の違いは、AIが自ら動くかどうかにあります。

ChatGPTのような生成AIは、こちらが指示(プロンプト)を出すと、それに応じて文章や画像を返してくれる仕組みです。

とても優秀ですが、あくまで「指示に答える」役割で、自分から作業を進めることはありません。

一方でAIエージェントは、目標を与えると、次に何をすべきかを自分で考え、必要なツールを使い分けながら、一連の作業を最後まで進めていく点が特徴です。

指示に答える生成AIと、目標に向けて自ら動くAIエージェントの違いの図解

矢野経済研究所は、AIエージェントを「目的のために自律的に行動するAI」と定義しています。

なお同社は、AIエージェントの定義は現時点でまだ統一されておらず、2025年は多くのAIエージェントが登場したタイミングだと位置づけています。

(出典:矢野経済研究所「国内生成AI/AIエージェントの利用実態に関する法人アンケート調査(2025年)」)

言葉の意味がまだ固まりきっていない、新しい領域だということです。

これまでのDXは「道具のデジタル化」で止まりやすい

これまでのDXは、ツールを入れたところで力尽きてしまう例が少なくありません。

私(生井)の経験上、「システムは入れたけれど、結局その入力作業に人手を取られている」というご相談は本当に多いと感じています。

道具を新しくしても、その道具を動かすのが人のままだと、作業の総量はあまり減らないためです。

道具をデジタルに変えても、入力・確認・転記などの作業が人に残る様子の図解

AIエージェント時代のDXは、この「道具を動かす作業」そのものにAIを当てていく発想だと考えています。

AIエージェントで実際にできるようになったこと

AIエージェント時代のDXで何が変わるのかは、実際にできるようになったことを見るのが一番わかりやすいと思います。

これまで人が手を動かしていた作業を、AIが目的を受け取って進めてくれる例が、少しずつ増えています。

代表的なものを、いくつか挙げます。

  • 問い合わせの一次対応:
    届いた質問に対し、社内の資料から答えを探し、返信の下書きまでをAIが用意する(判断が必要なものだけ人に回す)
  • 会議の議事録:
    AIが会議に参加して記録を取り、決まったこと・次にやることまで整理する
  • 書類のチェック:
    領収書や申請書を社内ルールと照らし合わせ、不備があれば理由をつけて差し戻す
  • 数字の見張り:
    広告や在庫などの数字を見張り、いつもと違う動きがあったときだけ知らせる

いずれも、人が「これをやって」と一つずつ指示するのではなく、目的を渡しておけばAIが動く、という点が共通しています。

目的を渡すとAIが担える4つの業務例(問い合わせ一次対応・議事録整理・書類チェック・数字の見張り)

大きな会社では、すでに手応えのある数字も出ています。

パナソニック コネクトは、社員のAIの使い方が「聞く」から「頼む」へ変わったことで、2024年に年間約44.8万時間の業務削減を達成したと公表しています。

(出典:パナソニック コネクト プレスリリース(2025年7月))

ここでの「聞く」とは、「これを教えて」と質問して、答えをもらう使い方です。

「頼む」とは、「この資料をレビューして」「アンケートの自由回答をまとめて」「作業手順書を作って」のように、作業そのものを任せる使い方を指します。

AIの使い方が「聞く」から「頼む」へ変わり、年間約44.8万時間の業務削減につながった図解

同じAIでも、調べ物の相手として使うか、仕事を任せる相手として使うかで、生まれる余裕が大きく変わる、ということです。

これがまさに、AIを「使う」から「任せる」へ、という変化だと感じています。

AIエージェント時代のDXへ変わってきた2つの背景

DXが「AIが自ら動く」段階へ進んできたのは、人手不足という切実な事情と、AIエージェントが実際に使える段階に入ったという技術の進歩が、同じ時期に重なったからだと考えています。

順番に見ていきます。

人手不足とAIの実用化が重なり、任せるDXへ進む流れを示す図解

背景1:人手不足が「高止まり」で解決の糸口が見えにくい

人手不足は、一時的な波ではなく、長く続く状態になってきています。

帝国データバンクの調査によると、2025年10月時点で正社員の不足を感じている企業は51.6%で、4年連続で半数を超えました。

(出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月)」)

正社員が不足している企業は51.6%で4年連続半数超(帝国データバンク調べ)

人を増やして解決する、という方法が取りにくくなっているのが、多くの中小企業の実情ではないでしょうか。

だからこそ、限られた人数のままで仕事を回す手段として、AIエージェント時代のDXに関心が集まっています。

背景2:AIエージェントが「話題」から「実際に業務を担う」段階に入った

AIエージェントが「話題」から「実際に使える道具」に変わってきたのが、ここ1〜2年です。

2025年は関連サービスが一気に立ち上がった年で、当時はAIエージェント元年とも呼ばれていました。

ただ、2025年の時点では、実際に使っている企業はまだ多くありませんでした。

矢野経済研究所の2025年の調査では、生成AIを活用している企業のうち、AIエージェントを「利用中」と答えたのは3.3%にとどまりました。

一方で「導入検討中」が13.5%、「関心あり」が49.3%と、前向きな回答は6割を超えていました。

(出典:矢野経済研究所「国内生成AI/AIエージェントの利用実態に関する法人アンケート調査(2025年)」)

AIエージェントは利用中3.3%だが、前向きな回答は6割超(矢野経済研究所調べ)

しかし2026年に入り、状況は大きく動いています。

PwC Japanは2026年のレポートで、AIエージェントが業務を支援するだけでなく、業務そのものを担う「実行主体」へと位置づけを変えつつある、と指摘しています。

(出典:PwC Japan「生成AIの将来技術動向 2026」)

先行する企業では実際に業務を任せる動きが急速に進み、AIエージェントは一気に身近なものになってきました。

では、中小企業は出遅れているのか、という点ですが、投資という面では確かに差があります。

帝国データバンクの調査では、設備投資として「DXの推進」や「IT化・AI活用」を挙げた割合は、中小企業が大企業より10ポイント以上低いという結果でした。

(出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年上半期)」内の設備投資に関する調査より)

ただ、これは裏を返せば、周りがまだ本格的に動いていない今のうちに手をつければ、追いつける余地があるということでもあります。

私(生井)の経験上、規模が小さい会社ほど意思決定が速く、AIの導入が一気に進む場面を何度も見てきました。

これまでのDXとAIエージェント時代のDXの違い

両者の一番の違いは、AIが「答えを返すだけ」なのか「作業を進めるところまで任せられる」のかにあります。

言葉だけでは分かりにくいので、これまでのDX、生成AIの活用、AIエージェント時代のDXの3つを並べて整理します。

比較軸 これまでのDX 生成AIの活用 AIエージェント時代のDX
主な役割 道具のデジタル化 指示に答える 目標に向けて自ら動く
AIの動き方 ほぼなし 指示があれば応答 自分で計画して実行
人の役割 道具を操作する AIに指示を出す 結果を確認・判断する
向いている作業 記録・保存・共有 文章・要約・アイデア出し 複数手順のある定型業務
イメージ 紙→クラウド 優秀なアシスタント 代わりに動くスタッフ

3つは、置きかえの関係ではなく、積み上がっていく関係だと考えています。

これまでのDXで土台を整え、生成AIで作業を助け、その先でAIエージェントに一連の作業を任せる、という順序で捉えると分かりやすいのではないでしょうか。

これまでのDX・生成AI・AIエージェント時代のDXが積み上がっていく3段階の図解

中小企業がまず変わるのは「守り」と「攻め」の2つ

AIエージェント時代のDXで中小企業がまず変わりやすいのは、社内の「守り」と、集客の「攻め」の2つの領域です。

弊社では、業務改善を「守りのDX」、集客・リード獲得を「攻めのDX」と呼んで整理しています。

(採用業界などで使われる「攻め/守り」とは意味が異なるため、ここでは業務と集客の区分として読んでいただければと思います。)

守りのDX(定型業務を軽くする)と攻めのDX(集客と提案を支える)をAIに任せる仕組みの図解

守りの変化:定型業務をAIに任せる

守りの領域では、毎回同じ手順をくり返す定型業務が、まっさきに変わりやすい部分です。

議事録づくり、報告書の作成、データの集計、問い合わせの一次対応などが代表例です。

【関連記事】議事録をAIで自動化するには?文字起こし→要約→振り返りまで仕組み化する手順

こうした作業は手順が決まっているため、目的を渡せばAIが進めやすい領域だと感じています。

議事録・報告書・データ集計・問い合わせ一次対応など、くり返しの手順がある作業から任せやすいことを示す図解

攻めの変化:集客と提案をAIが下支えする

攻めの領域では、集客のための作業や、お客様への提案づくりを下支えする形で変わっていきます。

広告の状態の見張り、問い合わせへの返信文の下書き、顧客データの整理などが当てはまります。

広告の見張りから顧客データの整理までをAIが担い、最後に人が判断する攻めのDXの流れ

数字を集めて、傾向を読んで、次の一手を考える、という流れの前半をAIが担うことで、人は判断に集中しやすくなります。

ここまでで全体像がつかめたら、あとは自社のどの作業から任せていくか、という段階に入ります。

AIエージェント時代のDXを利益に変える考え方

AIエージェント時代のDXで大切なのは、作業を減らすこと自体ではなく、浮いた時間を利益に変えるところまで見ることだと考えています。

作業が10時間減っても、その時間が何にも使われなければ、会社の数字は変わりません。

浮いた時間で、残業や外注を減らす。

あるいは、空いた時間で新しい提案や集客に動く。

そこまで進んで、はじめて「時間の余裕」が「利益」に変わっていきます。

作業が減って生まれた時間を、残業・外注の削減や提案・集客に使い、利益につなげる流れの図解

弊社では、この守り(業務改善)と攻め(集客)の両方を、提案から仕組み化までAIで一気通貫に支える形を「経営オペ」として提供しています。

単発でツールを入れて終わりにせず、AIに任せられる仕組みとして会社に根づかせるところまでを、AI×DXの出口として考えています。

【実施イメージ】LP・広告の監視をAIに任せた例

人が毎日、管理画面を1つずつ確認していた広告とLPの見張りを、AIエージェントに任せたところ、確認作業が約1分で済むようになりました。

これは弊社(みちしるべ)自身の取り組みで、AIエージェント時代のDXの、わかりやすい実例だと思います。

17〜20社分を毎日確認していた広告・LPの見張りが、異常だけを見る約1分の確認に変わった図解
課題
  • 17〜20社分の広告とLPについて、停止していないかを毎日手作業で確認していた
  • 管理画面を1つずつ開いて見ていくため、時間も手間もかかっていた
  • 数が多く、停止の見落としが起きるリスクが常にあった

この状況を整理すると、次のように見えてきました。

  • 原因:
    異常があるかどうかに関わらず、すべてを人が毎回確認していた
  • 必要だったアクション:
    正常なものは見なくてよくし、異常なものだけに人の目を向けられるようにすること

一番のポイントは、AIに操作を一つずつ指示するのではなく、「広告とLPが止まっていないか見張り、おかしければ知らせる」という目的そのものを渡したことです。

具体的には、次の3つです。

施策
  • 状態確認の自動化:
    各社の広告とLPの状態を、AIが自動で見に行く形にした
  • 通知の仕組み:
    正常なときは何もせず、異常があったときだけ知らせる仕組みにした
  • 人の役割の変更:
    知らせが来たものだけを確認して対応する流れに変えた
AIが自動で見に行き、異常時だけ知らせて、人が確認して対応する仕組みの図解

これらの取り組みを続けた結果、次のような変化が出ました。

結果
  • 確認作業にかかる時間:
    手作業での巡回 → 約1分(知らせが来たものの確認のみ)
  • 変化:
    停止の見落としを防ぎながら、確認の負担を大きく減らせました

改善できたのは、「すべてを見る」から「異常だけを見る」へ、確認のしかたそのものを変えられたからです。

人が管理画面を巡回する作業をAIに任せ、目的だけを渡しておくことで、同じ人数のまま、見落としのない状態を保てるようになりました。

これはまさに、AIを「使う」のではなく「任せる」に近づいた取り組みでした。

ここまで読んだあなたへ

ここまでの記事の3つのポイント

ここまでお読みいただき、AIエージェント時代のDXが「特別な大企業の話」ではなく、身近な作業から始められるものだと感じていただけていたら嬉しく思います。

  • まず社内の負担を軽くしたい方:
    くり返しの定型業務がどこにあるかを、一度書き出すところから
  • 集客を伸ばしたい方:
    今の集客のどの作業に時間が取られているかを見直すところから
  • 何から手をつけるか決めきれない方:
    業種と今の困りごとを整理するところから

もし「うちの場合、どこから任せればいいのか分からない」と感じていたら、まずは公式LINEにご登録ください。

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守りと攻めのどちらから始めるのが向いているか、具体的な一歩をお返しします。

「いきなり相談はまだ早いかな」という方には、サービスの内容がわかる資料もお配りしています。

みちしるべコンサルティング株式会社では、集客改善と業務改善の両方を、提案から仕組み化までAIで一気通貫に支援する「経営オペ」を提供しています。

よくある質問

Q1. AIエージェントと、ChatGPTのような生成AIは何が違うのですか?

生成AIは、こちらの指示に応じて文章などを返す「応答型」の仕組みです。

AIエージェントは、目標を与えると次の行動を自ら決めて動く「行動型」の仕組みで、一連の作業を最後まで進められる点が違います。

Q2. 中小企業でも、AIエージェント時代のDXに取り組めますか?

取り組めると考えています。

むしろ規模が小さいほど意思決定が速く、くり返しの作業から小さく始めやすい面があります。

Q3. まず何から始めればいいですか?

毎回同じ手順でくり返している定型業務を、書き出すところから始めるのがおすすめです。

その中で一番時間のかかっている作業が、最初に任せる候補になります。

Q4. 導入にはどのくらい費用がかかりますか?

対象とする業務の範囲によって幅があります。

いきなり大きく入れるのではなく、まず一つの業務で小さく試し、効果を確かめてから広げる進め方が、負担を抑えやすいと感じています。

Q5. 「守りのDX」と「攻めのDX」は、どちらから始めるのがよいですか?

まず守り(業務改善)から入る方が多い印象があります。

社内の作業を軽くして時間を生み、その時間を攻め(集客)に回す、という順序が無理なく進めやすいためです。

まとめ

AIに任せるDXの相談から導入までの全体スケジュール

AIエージェント時代のDXとは、道具のデジタル化にとどまらず、AIに作業そのものを任せ、人が判断に集中できるようにするDXのことです。

これまでのDXが「道具を置きかえる」段階だったのに対し、これからは「AIに任せて動いてもらう」段階へと進みつつあります。

大事なのは、作業を減らすことをゴールにせず、浮いた時間を利益に変えるところまで見ることだと考えています。

まずは、くり返している定型業務を一つ書き出すところから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事のテーマをさらに知りたい方は、気になる切り口からどうぞ。

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