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中小企業の人手不足をAI・DXで乗り越える|採用に頼らず”今の人数で回す”進め方

AI×DX

この記事で分かること

  • 人手不足を「採用」だけで解決できない理由
  • 今の人数のまま仕事を回すという考え方
  • 中小企業の人手不足にAI・DXが効く理由
  • まず省人化できる3つの業務
  • 業務時間を実際に減らした3つの現場

読了時間:約10分

生井聖人

監修:
みちしるべコンサルティング

代表
生井 聖人(なまい まさと)

マーケティング歴10年。中小企業のAI×DX支援を専門に、感覚経営から数字経営への移行を伴走支援している。

「人が足りなくて、今いる社員に無理をさせている」。

求人を出しても応募が来ず、来てもなかなか長続きしない。

その穴を社長自身やベテランが現場に入って埋めているうちに、肝心の経営判断に手が回らなくなっている。

そんな状態が、いつのまにか当たり前になってしまっていないでしょうか。

人手不足は「人を増やせば解決する問題」だと思われがちですが、実はそうとは限りません。

働き手が減り、採用も年々難しくなるなかで、人を増やす以外の選択肢として注目されているのが、AIやDXを使って業務そのものを軽くするという考え方です。

この記事では、中小企業が採用に頼りきらず、今の人数のままでも仕事が回る会社にするための考え方を整理します。

あわせて、AIとDXが人手不足のどこに効くのか、何から手をつければいいのかを、実際の事例とともにお伝えします。

読み終わる頃には、「うちはまず、どの仕事を減らせばいいのか」を自分で見当づけられる状態になります。

  1. 人手不足対策は「採用」から「今いる人数で回す」へ
  2. 中小企業の人手不足が、もう採用だけでは埋まらない理由
    1. 理由1:働き手が増えても、仕事の量に追いつかない
    2. 理由2:中小企業の半数以上が、正社員の不足を感じている
    3. 理由3:採用できても、育成と定着でまた振り出しに戻る
  3. 中小企業の人手不足にAI・DXが効く理由
    1. AI・DXが人手不足に効くのは「時間」を増やせるから
    2. AI・DXは「人を減らす道具」ではなく「今の人を活かす道具」
  4. 中小企業がまず省人化できる3つの業務
    1. 業務1:毎回同じ手順で繰り返している作業
    2. 業務2:特定の人しかできない属人化した業務
    3. 業務3:情報を探す・確認する時間
  5. 省人化を「一度きり」で終わらせず、利益を守る仕組みにする
  6. 今の人数のまま、業務時間を減らした3つの現場
    1. メイン事例:毎月の定例レポート作成の自動化
    2. 事例2:会議の議事録作成
    3. 事例3:住宅リフォーム会社のブログ制作
  7. よくある質問
    1. Q1. 人手不足対策は、採用とAI導入のどちらを優先すべきですか。
    2. Q2. AI・DXを入れると、人員を減らすことになるのですか。
    3. Q3. ITに詳しい社員がいなくても導入できますか。
    4. Q4. 費用はどのくらいかかりますか。
    5. Q5. 結局、何から始めればいいですか。
  8. まとめ
  9. まず減らせる仕事を、無料診断で見つける

人手不足対策は「採用」から「今いる人数で回す」へ

人手不足への打ち手は、「人を増やす」だけでなく「今の仕事を減らす」方向からも考えられます。

人手不足で社長の時間が現場対応や確認に奪われ、経営判断の時間が失われていく構造の図解

人手不足を「人が足りない」と捉えると、対策はどうしても採用の一択になります。

しかし現場で実際に起きているのは、「今の人数では、今の仕事量が回りきらない」という状態です。

だとすれば、人を増やす代わりに、一人が抱える仕事の量そのものを減らしても、同じように解決へ近づきます。

人手不足対策を「人を増やす(採用・育成)」と「仕事を減らす(省人化・仕組み化)」の2方向に分けた図解

この「仕事を減らす」という発想を、いま一番現実的に支えてくれるのがAIとDXです。

なぜこの2つが人手不足に効くのかは、このあと順番に見ていきます。

中小企業の人手不足が、もう採用だけでは埋まらない理由

採用を頑張っても人手不足が解消しづらいのには、大きく3つの理由があります。

理由1:働き手が増えても、仕事の量に追いつかない

働き手の数がこの先増えても、それだけでは人手不足が解消しない、という見方があります。

パーソル総合研究所と中央大学の推計「労働市場の未来推計2035」(2024年10月発表)では、女性やシニア、外国人の就業が進むことなどで、働き手の数そのものは今後むしろ増えていくと見込まれています。

それでも、社会全体で必要とされる仕事の量のほうが多く、人手が追いつかない状態は続くと試算されています。

(出典:パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計2035」(2024年10月))

働き手は増えても必要な仕事量がそれを上回り、人手不足が続くことを示したグラフ

言いかえると、人を増やす努力を続けても、それだけでは埋めきれないのがこれからの人手不足だということです。

こうした背景もあり、国も、中小企業が省力化やAI・ITの導入を進めやすいよう、補助金などで後押ししています。

【関連記事】AI導入で使える補助金とは?ChatGPTは対象?制度の選び方を解説

限られた人数で、より多くの仕事をこなせるようにする。

この生産性を上げる方向こそ、採用と並んで持っておきたい人手不足対策のもう一つの柱です。

理由2:中小企業の半数以上が、正社員の不足を感じている

人手不足は一部の業種の話ではなく、すでに多くの企業の共通課題になっています。

帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」(2026年4月)によると、正社員の不足を感じている企業は50.6%と、4月として4年連続で半数を超えました。

(出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2026年4月)」)

さらに、人手が確保できずに事業が立ち行かなくなる「人手不足倒産」は2025年度に441件と3年連続で過去最多を更新し、そのうち建設業が112件(全体の25.4%)を占めています。

(出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査(2025年度)」(2026年4月))

正社員の不足を感じている企業50.6%と2025年度の人手不足倒産441件を示した調査データの図解

理由3:採用できても、育成と定着でまた振り出しに戻る

仮に採用できても、育てて定着させるまでには時間もコストもかかります。

採用・育成・現場に慣れる・退職の循環を繰り返しやすい構造と、仕事そのものを軽くする視点の図解

近年は賃上げの動きが広がり、初任給を大きく引き上げる企業も増えました。

そうした条件面で体力のある会社と正面から競い合うのは、中小企業にとって簡単ではないと感じています。

採用は欠かせない打ち手ですが、そこだけに頼ると、抜けては採り、また抜けるという消耗戦になりやすいのが実情です。

中小企業の人手不足にAI・DXが効く理由

AIとDXが人手不足に効くのは、人がやらなくてもいい作業を肩代わりして、社員の時間を空けられるからです。

まず、言葉の整理だけしておきます。

DXは、これまで紙や手作業でやっていた仕事を、デジタルの仕組みに置き換えて効率化することです。

AIは、大量のデータからパターンを学び、それをもとに作業を自動でこなす技術です。

たとえば、文章を要約する、問い合わせに答える、数値を分類するといった作業を、人が細かく指示しなくても処理できるようになってきています。

【関連記事】AIとDXの違いとは?関係性と、中小企業がどちらから始めるかを解説

この2つを組み合わせると、決まった手順の繰り返しから、ある程度の判断が要る作業まで、機械の側に寄せられます。

AI・DXが人手不足に効くのは「時間」を増やせるから

人手不足とは、突きつめると「会社が使える時間の総量が足りない」という状態です。

採用は人を増やすアプローチ、AI・DXは時間を増やすアプローチであることを対比した図解

採用は、この時間の器である「人」を増やすアプローチです。

一方でAI・DXは、一人あたりが生み出せる時間を増やすアプローチです。

しかも一度仕組みを作ってしまえば、その仕組みは毎回・休まず動き続け、採用のように人が入れ替わって振り出しに戻ることもありません。

人数を増やさなくても、実質的に使える時間が増える

これが、中小企業の人手不足にAI・DXが効く理由です。

AI・DXは「人を減らす道具」ではなく「今の人を活かす道具」

ここまで読むと、AI・DXさえ入れれば人はいらない、と聞こえるかもしれませんが、そうではありません。

採用にも求人広告や人材紹介などで継続的に費用がかかり、人を採ること自体は、これからも欠かせない打ち手です。

ただ、今の業務が整理されないまま人を増やすより、先に無駄な作業や属人化を減らしてから採用したほうが、入った人も動きやすく、早く戦力になります。

データ入力や定型資料作成は仕組みに任せ、判断・提案・接客は人に残すという仕事の切り分けの図解

AI・DXを進める過程では、「そもそも要らなかった作業」や「人でなくてもいい作業」も見えてきます。

だからこそ、採用に踏み切る前に、まず今の仕事を見直す価値は大きいと考えています。

そのうえで空いた時間を、接客や提案、現場での判断といった、人にしかできない仕事に振り向ければ、今いる社員一人ひとりの力を底上げできます。

AI・DXは人を減らすための道具ではなく、人を増やさずにチームをアップデートするための道具だと、私たちは考えています。

中小企業がまず省人化できる3つの業務

いきなり全社をデジタル化しようとせず、まずは1つの業務から省人化するのが現実的です。

今いる社員の時間を一番奪っている作業から手をつけると、効果が数字で見えやすくなります。

省人化しやすい業務は、大きく3つに分けられます。

最初に見直したい3つの業務(繰り返し作業・属人化した業務・探す時間)を整理した図解

業務1:毎回同じ手順で繰り返している作業

日報・議事録・レポート作成・データ入力のように、毎回ほぼ同じ手順で繰り返している作業は、AIとの相性が良い領域です。

手順が決まっているぶん自動化しやすく、しかも時間を多く食っているため、効果が見えやすいのが特徴です。

業務2:特定の人しかできない属人化した業務

「あの人がいないと回らない」という業務は、人手不足のときに最もリスクになります。

その人の判断や手順を仕組みに落とし込めば、他の社員でも同じ仕事ができるようになり、一人に負荷が集中する状態から抜け出せます。

【関連記事】属人化をAIで解消する5ステップ|ベテランの暗黙知を“会社の資産”にする方法

業務3:情報を探す・確認する時間

必要な資料や過去のやりとりを探す時間は、目立たないわりに、積み重なると大きな損失になります。

社内の情報をAIで検索・要約できるようにするだけでも、一人ひとりの「探す時間」が減り、実質的に人手が増えたのと近い効果が得られます。

ここまでで「どこから省人化できそうか」の見当がついたら、あとはそれを自社にどう当てはめるかです。

省人化を「一度きり」で終わらせず、利益を守る仕組みにする

省人化で本当に大切なのは、空いた時間を「次の利益」に振り向けることです。

ツールを入れて作業が速くなっても、そこで止まってしまえば、浮いた時間はまた別の雑務で埋まっていきます

重い作業を選ぶ・仕組みに任せる・空いた時間を移すの3ステップで利益を守る仕組みに変える流れの図解

みちしるべでは、単発のツール導入で終わらせず、自動化した仕組みを社内で回し続けられる状態、目安として約6ヶ月で自走できる形にすることを大切にしています。

集客改善と業務改善の両方を、提案から仕組み化まで一気通貫で支援する「経営オペ」という考え方です。

人手不足を「今いる人数で回る会社」に変え、浮いた時間を売上ではなく利益につなげていく、という順番で進めます。

【関連記事】中小企業のAI×DXの進め方|何から始めるかを6ステップで解説

今の人数のまま、業務時間を減らした3つの現場

ここでは、実際に業務時間を減らした3つの取り組みを紹介します。

メイン事例:毎月の定例レポート作成の自動化

毎月決まった形で作っていた報告レポートの作成時間が、22社分あわせて月440分から約1分になりました。

22社分の定例レポート作成が月440分から約1分になり、数値を読んで次の一手を考える時間に変わった事例の図解
課題
  • 毎月、決まった形式の報告レポートを手作業で作成していた(広告運用の実績レポート、22社分)
  • 作成に月440分(約7時間)かかっていた
  • 数値の集計が特定の担当者に依存し、その人が動けないと止まっていた

この状況を整理すると、次のように見えてきました。

  • 原因:
    毎回同じデータを人がコピペ・集計しており、判断の要らない作業に人の時間を使っていた
  • 必要だったアクション:
    データの取得から集計・レポート化までを自動化し、人は「数値を読んで次の手を考える」ことに集中できるようにする

一度に全部を変えず、データの取得 → 集計 → レポート化の順で自動化していきました。

具体的には、次の3つです。

施策
  • 必要なデータを自動で集める仕組みを作った
  • レポートの雛形をテンプレート化し、数値が自動で反映されるようにした
  • 数値に異常が出たときは自動でアラートが上がるようにした

これらの取り組みを続けた結果、次のような変化が出ました。

結果
  • レポート作成時間:
    月440分 → 約1分
  • 変化:
    担当者が「資料を作る」時間から解放され、数値を読んで次の一手を考える時間に使えるようになった

改善できた理由は、人の判断が要らない集計・整形の部分だけを切り出して自動化したことにあります。

作る作業を仕組みに任せたことで、担当者の時間が「手を動かす」から「頭を使う」へと移り、同じ人数でも成果を伸ばせる状態につながりました。

事例2:会議の議事録作成

会議の議事録作成が、1本あたり30〜40分から約5分に短縮されました。

録音から要点の整理までをAIに任せ、担当者は最終確認と修正だけを行う形にしたことで、会議のたびに発生していた時間が大きく減りました。

事例3:住宅リフォーム会社のブログ制作

ブログ記事の作成時間が、1本あたり90分から30分に短縮されました。

議事録作成が30〜40分から約5分、ブログ制作が90分から30分に短縮された2つの事例の図解

自社用のプロンプト集を整備したことで、これまで「書ける人しか書けなかった」状態から、5名のスタッフが3ヶ月で一定品質の記事を書ける状態へと変わりました。

【関連記事】中小企業のAI×DX事例|「何に使えばいいか分からない」が消える、業務改善の実例集

よくある質問

Q1. 人手不足対策は、採用とAI導入のどちらを優先すべきですか。

A1. どちらか一方ではなく、まず今の人数で減らせる仕事があるかを確認するのがおすすめです。

省人化で余力を作ってから採用を進めると、育成にも時間を割けるため、定着しやすくなります。

Q2. AI・DXを入れると、人員を減らすことになるのですか。

A2. 目的は人を減らすことではなく、今いる人が付加価値の高い仕事に集中できるようにすることです。

実際には、雑務を自動化して、営業や接客など人にしかできない仕事に時間を回すケースが多いです。

Q3. ITに詳しい社員がいなくても導入できますか。

A3. できます。

むしろ専任担当がいない中小企業ほど、まず1つの業務から小さく始める進め方が向いています。

Q4. 費用はどのくらいかかりますか。

A4. 導入の形によって幅がありますが、まず1業務から始める場合は大きな初期投資は必要ありません。

費用の考え方は別記事で詳しく整理しています。

【関連記事】中小企業のAI・DX導入費用の相場とは?料金体系別の目安と費用を抑える方法を解説

Q5. 結局、何から始めればいいですか。

A5. 一番時間を奪っている作業を1つ選ぶところからです。

自社に当てはめて優先順位をつけたい場合は、診断でご一緒に整理します。

【関連記事】AI・DXの優先順位がわからない中小企業へ|無料診断で改善すべき業務を見える化

まとめ

人手不足対策の進め方の全体像

人手不足は、採用だけでなく「今の人数で回す」方向からも和らげられます。

今日から変えられるのは、一番時間を奪っている作業を1つ見つけることです。

そのまま放置すると、社長やベテランが現場を埋め続け、経営判断の時間が奪われていきます。

まず1業務の省人化から始め、浮いた時間を売上ではなく利益に変えていく、という順番で進めていきましょう。

まず減らせる仕事を、無料診断で見つける

ここまでの記事の3つのポイント

人手不足は、人を増やすことだけでなく、今の仕事を減らすことでも和らげられる、というのがこの記事でお伝えしたかったことです。

とはいえ、「どの業務から省人化すればいいのか」は、会社の規模や業種、今の回し方によって一社ずつ違ってきます。

先ほどの調査(帝国データバンク/2026年4月)でも半数を超える企業が人手不足を感じているように、これは特別な会社だけの問題ではありません。

みちしるべコンサルティングでは、集客改善と業務改善の両方を、提案から仕組み化までAIで一気通貫に支援する「経営オペ」を提供しています。

浮いた時間をその場しのぎで終わらせず、次の利益につながる仕組みとして残るところまで、約6ヶ月の自走を目安に伴走します。

重い業務を見つける・仕事を切り分ける・仕組みに任せる・空いた時間を移すという人手不足対策の進め方の図解
  • すでに「この作業がとにかく重い」とわかっている:
    その業務を1つ挙げていただければ、省人化できるかどうかを一緒に見ます
  • 人手不足だが、何から手をつけるか決めきれない:
    業種と今の状況から、まず着手すべき場所を整理します
  • 採用強化と省人化のどちらを優先すべきか迷っている:
    両方を天秤にかけて、今の御社に合う順番をお伝えします

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【関連記事】AI・DXの優先順位がわからない中小企業へ|無料診断で改善すべき業務を見える化

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まだAIを触ったことがない(まず全体像から知りたい)
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